カドヘリンスーパーファミリー

杉野英彦・八木健
大阪大学大学院生命機能研究科
「ヒトゲノム」
-生命システムの理解と医学への展開-
Molecular Medicine Vol,41 臨時増刊号
ヒトゲノムの全貌p79-p85
編集: 榊佳之、笹月健彦、油谷浩幸
中山書店

ヒトの遺伝子構成主な遺伝子ファミリーの特徴
カドヘリンスーパーファミリー
杉野英彦, 八木 健
大阪大学生命機能研究科

ポイント
・カドヘリンはCa2+依存性の細胞間接着分子であり、チャイニーズハムスターV79を植え継ぎするとき、Ca2+を添加することで細胞接着が促進されることから見出された。
・カドヘリン分子はおよそ100個存在し、最も多い接着分子ファミリーの一つである。
・カドヘリンスーパーファミリーは、クラシックカドヘリン、デスモソームカドヘリン、プロトカドヘリン、7回膜貫通型カドヘリン、ショウジョウバエカドヘリンの5つに大きく分類される。
・プロトカドヘリンに属するCNRは15個存在し、そのゲノム構造はT細胞レセプター等の免疫系遺伝子と類似している。
・CNRは中枢神経細胞において強く発現していることから多様な神経回路網の構築に関与していることが予想される。

カドヘリン分子の発見とその経緯
カドヘリンは細胞同士の“接着と“選別に重要な働きをする接着分子である。カドヘリン分子の発見は,そ れまでの形態観察によるマクロな現象論としての細胞接着の研究を、分子間相互作用の研究へと発展 させた。カドヘリンの研究が細胞接着の研究の歴史を大きく担ってきたともいえる1).そもそもカドヘリンの発見 は1974年 Takeichiら がチ ャイニーズハムスターV79細 胞 を植 え継ぎするとき,Caを添加することで細胞接着が促進されることを見出 したことから始 まった。彼らは抗 F9細胞抗体がマウス胚の Ca依存性接着活性を阻害することを見出し,その抗原のなかか ら阻害活性 を中和する14 kDの分子を単離した2).さらにこの抗原に対するモノクローナル抗体を作製し,F9細胞のCa依存性接着活性の阻害を確認し,この抗原分子を Ca依存性に細胞接着にかかわる分子的本体として“カドヘリンと命名した 3). この後,上皮細胞からE-カドヘリン,脳 か らN-カドヘリン4)ニワトリ網膜から-カドヘリン5)と ,次々にカドヘリン分子が単離 された。

カドヘリンの種類と特徴
ECド メインの数による分類
ヒトゲノム解析 の結果,カドヘリン分子 はおよそ 100個 存在することが明 らかにされた6),その代表的なものと染色体上での位置を表1に示す.カドヘリンはその構造上大きく分けて“クラッシックカドヘリン, “デスモソームカドヘリン,“7回膜貫通型カドヘリン,“プロトカドヘリンそ して“ショウジョウバエカドヘリンの 5つ に分類 される。すべ てのカドヘリンに共通の特徴 は ,Ca結合配列 (DXD,DRE,DXNDNAPXF)であるカドヘリンリピートを含む細胞外 (exttacellular;EC)ドメインをもつことである(図1)。

リンク先
http://search.jamas.or.jp/link/ui/2004227802
http://www.fujisan.co.jp/product/1281680363/

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